8.社労士が考える給与計算を行う上での3つの注意ポイント
暑かった夏もようやく過ぎ去るこの頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私は算定基礎届の提出や労働保険料の年度更新の手続きが終わり、
ようやく終わったと思えば、労務トラブルや社内の業務改善業務に翻弄され。
そう思っていれば、私の大好きなアプリゲームがイベントをしていたりで
こりゃ課金せねばならんぞ!
と睡眠時間を削ってスマートフォンに向き合ったり。
広島東洋カープの絶不調気味にありゃりゃとなったり。
オリンピック、パラリンピックの選手たちの頑張りに涙したり。
ええ、まったくブログ更新をできていなかった言い訳をつらつら書いております。
どうかゴミは投げないでください。
いつも心の片隅にこのブログの存在はありましたとも!
(ということにしておいてください🙇)
長くなりました言い訳はこの辺にしておき・・・。
今回のブログの内容にさっそく入っていきます!
ずばり、
社労士業務とは切り離せない、(と個人的に考えている)給与計算業務についてです。
給与計算を行って早6年の社労士が考える
給与計算をする上で、ここは間違えちゃいけないのでは?
と考えている3つの注意ポイントを社労士目線でまとめています。
大前提として諸説ありますし、色々な指摘がある部分だと思います。
あくまで、ヒヨコ社労士が考える多くの注意ポイントから3つに絞ったものです。
すでに給与計算の経験が複数年ある方に向けてではないですし
これが正しい!とも思いません。
繰り返しますが諸説はたくさんありますし
色々な先生方がたくさん給与計算の本を書いていらっしゃいますので
ぜひそちらも参考になさってください。
というかこの記事をきっかけにぜひ読んでみてください!
(私がおすすめする給与計算の本を記事の最後にまとめています)
- これから給与計算を始める可能性がある方
- 社労士になりたての先生
- 社労士を目指して社労士事務所勤務の職員の方
上記のような方が初めて給与計算をする上で少しでも道しるべになれば幸いです。
1.随時改定(月額変更届)と定時決定(算定基礎届)があったときの社会保険料の変更
参考リンク
随時改定(月額変更届)とは?
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html
定時決定(算定基礎届)とは?
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html
日本年金機構ホームページからそれぞれの言葉の説明URLをのせています。
それぞれの用語の詳細はリンク先にお任せしますが、
給与計算をする上でこれらの計算間違えは、非常にまずいです。
なぜなら給与を受け取る方の手取り額かつ事業主の保険料負担に大きく関わるからです。
特に社会保険労務士事務所でこの間違いをすると顧問先の信用を失いかねません。
顧問先のお客様からみれば社会保険労務士は社会保険の専門家だからです。
(当たり前ですが)
なぜ自社で給与計算を行わず、
プロフェッショナルである社労士事務所に依頼しているのか?
それは複雑な社会保険計算、社会保険手続きを正しい計算で行う必要があるからです。
もし本当は20等級(月額260,000円)なのに18等級(月額220,000円)で計算してしまい
3か月間違えた給与で計算した場合、
正しい社会保険料 38,922円 (健康、介護 15,132.0 厚生 23,790.0)
誤った社会保険料 32,934円 (健康、介護 12,804.0 厚生 20,130.0)
差額 5,988円×3か月=17,964円
(令和3年3月時点の料率、東京都に事務所がある41歳の方の場合)
給与計算を行っている方にとってはそこまで大きな金額でないから大丈夫!と思うかもしれませんが、
給与を受け取る職員や顧問先はそんな認識でいないというのは肝に命じてください。
たとえ1円でも職員の方事業主の方が働いて稼いだお金になります。
2.40歳・65歳・70歳・75歳 年齢到達時の社会保険料変更
すでに給与計算業務をされる方であれば、
40歳、65歳、70歳、75歳と聞けばピン!とくると思います。
もしピン!こなければ、必ず!覚えておいてください!
先ほどと同じく間違えていると給与を受け取る職員や顧問先の信頼を失う部分です。
また、誕生日が1日の職員の方は要注意です。
なぜ注意しなければならないかは協会けんぽさんの下記リンクに記載がありますので
ぜひご確認ください。
参考リンク
3.雇用保険料の料率変更のタイミング
雇用保険料率は毎年変更される可能性があります。
特に下記のような場合は注意です。
末締め、翌月25日払いの事業所の給与計算を行う場合、
雇用保険料率が4月1日から変更になりますが、雇用保険料率を変更する月として
下の1~3どれが正しいでしょうか?
正解は、3.です。
4月1日以降の労働分から雇用保険料率を変更する必要があります。
よく顧問先でも間違えていらっしゃることが多い部分です。
徴収のタイミングとは別に雇用保険料の控除対象になる手当の判別にも注意です。
労働保険料対象賃金
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/dl/1-3-2.pdf
高年齢の方の雇用保険料控除も法改正があったので、注意です。
(こちらも顧問先の給与をチェックすると間違えていることが多い部分です)
令和2年4月1日から、すべての雇用保険被保険者について雇用保険料の納付が必要となります
https://www.mhlw.go.jp/content/000621195.pdf
ちなみに今(令和3年度9月時点)雇用保険料率はこちらです。
令和3年度の雇用保険料率について
https://www.mhlw.go.jp/content/000739455.pdf
2月になると、
健康保険料率、介護保険料率、雇用保険料率の変更があったかの確認
8月になると、
厚生年金保険料率の変更があったのかの確認
(組合関係に加入されている事業所は特に注意です)
上記のチェックはお勧めいたします。
4.最後に・・・
給与計算はできて当たり前、誰からも感謝がされにくい仕事です。
ですが、当たり前を確実にこなしていくことで
社労士であれば顧問先との関係を強くできたり
給与計算により社内の様子が分かることで顧問先と親密になれる可能性がある仕事だと思っています。
(助成金提案に繋げられる仕事のひとつです)
自社の給与計算を行う方であれば、社内で信頼される重大な業務です。
厳しいことばかり書きましたが
給与計算は立派なスキルのひとつですので
ぜひ極めていただいて給与計算のスペシャリストを目指してください!!
私も給与計算スペシャリストへはまだまだ到達途中ですのでともに目指しましょう!
☆私がおすすめする給与計算の勉強本☆
タイトルどおり、給与計算を行う上でのツボとコツが絶対にわかる本です!
複数年給与計算を行っている方でも勉強になる部分があると思います。
給与計算を行う上で間違えてしまった時の対処法と防止策がまとめてあります!
とても分かりやすいので、ぜひ一度読んでみてください!
私がこっそりメルマガ登録している先生の本です。
給与計算を行いやすくするための書式もまとめてあるので、
0ベースから給与計算業務を構築される方へおすすめです。
書籍発売が2012年なので、法改正に対応していない部分もあるので、注意です。