都内アラサー社労士のひとりごと

都内で日々社労士業務にいそしんでいるアラサーが更新するブログです。

4.懲戒処分をする際の弁明の機会の大切さ

こんにちは!
この時期は社労士は少し暇になる時期です。
 
事務手続きも落ち着き
(まだ資料を送っていただけておらず、申請できていない会社もありますが)
研修の機会や勉強の機会が増えているので、これを機会に!と勉強させていただいています。
 
 
同一労働同一賃金最高裁判例も10月に出ますし、
パートさんにも賞与や退職金ださなきゃいけないの?!とひやひやしている社長さん、人事労務担当者の方も多いかと思います。
色々とすでにセミナーの開催が予定されていますから、今は心穏やかに待ちましょう。
(と、自分に言い聞かせています。ブルブル。。。)
 
 
 
さて、先日参加させていただいた弁護士の先生のお話で印象的な話がありましたので
これはぜひブログのネタになるということでさっそくネタにさせていただきました。
 
 
それは、「懲戒処分を行う際の弁明の機会の大切さ」です。
 
 
皆さんの会社の就業規則に懲戒処分は定められていますか?
けん責、減給、昇給停止、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇・・・。
会社によっていろいろな処分が定められていますよね。
 
では、「職員の弁明の機会」については就業規則に定められていますでしょうか?
私の肌感覚で恐縮なのですが、
中小企業の就業規則で定めていらっしゃる会社は少ない気がします。
 
ですが今後もし就業規則の修正等される予定があれば、
ぜひ追加のご検討をなさってください。
 
 
理由としては大きく2点あります。
 
 

〇どのような懲戒処分するかの検討材料とする

 

「私がそんなことを許せないと判断したから、これは絶対に解雇だー!」

(燃え上がる気持ちに社長さんの後ろに業火が見える気がする・・・!)
 
 
気持ちは本当にわかります。
本当っにっ!!わかります。
社長さんや人事労務担当者さんからしたらご自身だったら絶対にしないし
やろうとも思わない。
いわゆる一般常識外ことを平然しているのだから、頭にきて許せないのは当然です。
 
 
でも解雇ってすごい権限だと思いませんか?
その人の生活をひとりの人間の力で一気に変えることができます。
(朝起きる時間、給与額によっても食べるものも変わってくるし
なんだったら推しへの課金金額も・・・!笑)
 
奥さんや受験を控えたお子さんだっているかもしれません。
それにどんな人間だってご両親がいて生まれてきています。
 
 
どんな懲戒処分も今後の会社を考えて行うのは当然ですが、
どのレベルの懲戒処分にするのか?ここはしっかりご検討ください。
いちど処分を決めてしまうと今後の懲戒処分をする際も
常に会社の前例をみながら判断することになります。
 
 
だからこそ懲戒処分を検討するときは少しでも判断材料を増やすために
「弁明の機会」を設けることをおすすめします。
処分対象の従業員も自分自身が行ったことを深く後悔していたり、
しっかりと謝罪したいと考えている人もいらっしゃいます。
 
逆に残念ながらなにが悪いのか?と開き直る方もいらっしゃいます。
 
そういった方に対して会社としてどういった処分をくだすのか?
「どうしてこんなことをしてしまったの?」と職員の弁明を聞いてから
判断しても遅くないと思います。
 
 

〇今後同じようなことが起きないよう会社の改善資料として

 
 

「今までこんなことなんて一度もなかった!あいつは信じられーん!!」

 
たしかに今まで一度もないからこそ懲戒処分ですよね。
でも「たまたま」今まで一度も起きなかったということはあり得ませんか?
と屁理屈な私は考えてしまいます。
 
例えばニュースで従業員の会社のお金の着服が報道されていることがあります。
場合によっては何千万円も着服している。
でもよく考えれば会社のチェック管理体制ができていなかったということもあります。
本当にその懲戒処分はその職員さん一人が全面的に悪いのでしょうか?
 
 
個人的にヒトは常に楽なほうへ流されると私は考えています。
意思を強く持ちたいと常に思っていますが
目の前においしそうなケーキがあった場合、誘惑に逆らうのは大変です。
会社としてチェックが甘かったことで
そういった事件が起きてしまったということもあり得ます。
 
 
弁明の機会を設けると意外と会社自身では気づいていなかった
チェック体制の甘さや放任主義を通り過ぎて
職員への放置プレイ具合が露呈する場合があります。
 
 
失敗は成功の基といいます。
従業員さんだけの失敗と思わずに懲戒処分は会社の失敗と思い、
一度した失敗を繰り返さない。
弁明の機会は会社にとってありがたい改善情報を頂けるかも?と思って、
弁明の機会を促すのはいかがでしょうか。
 
 
 
念のためですが、就業規則で弁明の機会を設けたのに
実際には使用しないと懲戒処分の有効性が争われた場合、
逆に会社にとって不利になることになります。
 
どんなことが起きても職員の意見を聞くというスタンスを持つ続ける必要があります。
記載するのは会社にとっても覚悟が必要です。
 
 
就業規則に明記される際はぜひ近場の社労士にご相談下さい。
貴社にとって有意義な就業規則作成にお力になれる先生方ばかりです。
 
 
ヒトに関する答えは正解がないことが大多数なので、
社労士として会社さん、職員さんにとって何か一番良いのか?
一緒に悩み、納得の判断をして後悔が残らないようにしていただくことが大切だなと日々感じています。
 
万が一のことが起きた際に心強いパートナーになれるように
私も日々勉強していきます!